それもよくある恐怖ものやスプラッタものと違った怖さで
あまりにも虚ろで、人間という存在そのものが既に餌として扱われている事を
ただ、淡々と当たり前かの様に扱っている事です。
抗う事もできずに共生を強いられる彼女達、
共生なんて聞えのいい言葉で繕ってはいるものの、実際は侵略に過ぎず
別のエイリアンに支配されるのとウチラに共生されるのだったら、どっちがいい
という強迫じみた選択肢しか人類には残されていません。
人間として暮らすという選択肢がないのがあまりにも残酷です。
ゆりは結局最後まで誰かに依存しないと駄目なままだった。
だけど、それが唯一この作品を救えるものにして、
もし、ゆりが誰にも頼ることなく生きていけたら、エイリアン9は
救いのようのない話になっていったかもしれません。
くみは、最も救われていない娘なのかもしれません。
すでにボウグと融合して、人でもボウグでもない
生き物になってしまったから、彼女が唯一人として
生きていけるのはゆりに頼られている間だけのような気がします。
彼女には、誰よりも幸せになって欲しいです。
(恐らく彼氏は生殖できない自分にコンプレックスを感じて自分から退いてしまうでしょう)
かすみは、何でも出きるスーパーお嬢様という周りのプレッシャーに耐えきれず
押しつぶされてしまった可愛そうな娘です。でもイエローナイフとの共生により
生まれ変わりました。1人ではない、もう1人じゃないんだって・・・・。
それを一番良く表しているのがヒマワリとの強制共生の叫び
「やめて、幸せだったの、一番幸せだったの」
これが彼女の全てでしょう
2巻中盤から加速度的に急展開する話。あまりにも絶望しか残されていない世界で
それでも彼女達が最後まで「日常」を続けていってくれたのが唯一の救いです。
例え、ゆりの髪の毛に巻き毛ができていようとも。