関東平野のほぼ中央にある古河は、西に渡良瀬川が流れ、上流に恩川・うづま川・やた川が流れ込み、下流で大利根川と合流して、その周辺に無数の沼が散在し、鮒の棲息に最も適した日本でも有数の良質の鮒の名産地として知られています。
私たちの祖先は大量に獲れる鮒の保存に鮒を竹串に刺して炭火で丁寧に焼き、炉の上の天井から下げた辧慶(藁を直径15センチ位にたばねたもの)に刺して自然に乾燥させ、長期間保存できる方法を長い年月をかけて工夫しました。こうして保存された焼鮒を正月に煮て味付けし、酒の肴として必ず食膳に供して新しい年を家族で祝いました。
この風習は、古河地方の「郷土料理」としていつ頃から始まったかは定かではありませんが、永享の乱で滅んだ鎌倉の公方足利利持氏の遺子成氏が1455年下総(茨城県)古河に走り、その子孫政氏・高基・晴氏・義氏と五代「古河公方」と栄えていたころよりと考えられています。