2000/08/14 特別企画
第13回ムスコ誕生記念スペシャル
「妊娠と、出産にまつわる追憶」
妊娠とオンナ
「女を見たら妊婦と思え!」
これはお医者かなんかの間で
常識とされているフレーズらしい
医科的処置を施す時
万が一、その副作用などが母体を通し胎児に及び
とんでもないことにならないための
戒めのための呪文?だ
私はこの諺?が結構好き♪
そして
A:「あなたは妊婦ですか?」
B:「はいそうです」
この一見初歩的英会話の直訳のような
日本語としては多少不自然で簡単な質疑応答から
Bはオンナだと見抜くことが出来る
悪阻や体質の変化
妊娠によって大部分の妊婦は具合が悪くなるが
その大部分はそれほど深刻なものではないらしい
なにしろ胎児といえど妊娠初期においては
母体にとっては急に進入?してきた異物だ
その異物を排除しようとする母体の抵抗が
つわりという形で現われるのだそうだ
わたしももちろんお決まりで
つわりをやった
受胎前の体重より痩せて
かわいそうになるほど毎日はいた
苦しかった
けれど「なると」が出た時だけは綺麗なピンクだな、と思った
その他にも体型の変化からくる肉体的不具合も多い
胎児の月齢が進むにつれ
ハラが重くて仰向けに寝られないとか
やたら暑いとか
やたら眠いとか
歯が悪くなるとか
目が悪くなるとか
毛が抜けるとか
色素が沈着するとか
とにかく身体の仕組みの
何かのシステムがズレてしまったとしか思えないような
あまり歓迎できないような状態になる
私の場合は「うおのめ」ができた
それまで私の人生で考えもしなかった状態だ
うおのめというのは、あれはとっても痛いものですね!
直径3ミリぐらいの小さいものなのに
これがばかみたいに痛い
わたしは「ウオノメコロリ」を買って
付属の細いガラス棒でもって
膨らんでるおなかに往生しながら大喜びで
(うおのめはいやだがこの薬はタノシイ♪)
足の裏を治療していたのだが
まったく治癒しなかった
当時わたしのオットだった人は
1956年生まれのニセミュージシャンで
ニッポンがフォークソング全盛の時代が青春だった人で
ガロとか猫とかかぐや姫とか風とか伊勢正三とか
あ、これは同じ人か
忘れてしまったがとにかくそんな人たちが好きで
若い頃はベルボトムのジーンズに今の厚底サンダルのような
大変不安定な履き心地の靴をはいていたらしく
そういうのをやめてしまった社会人になっても
うおのめの後遺症に悩まされていた
そんなわけで
わたしはてっきりオットからうつされたのだと思い込み
「うおのめって伝染病?!」
と戦慄し
この先うおのめな人生を送らなければならないのかと思うと
大変暗い気持ちになり
「オマエのせいで、、、」
とよく元オットを責めていた
それはともかく
半年間どうにもこうにも治らなかったうおのめだが
出産したとたん、あっけなく治ってしまった
そしてその後、一度もうおのめにはなっていない
妊娠してうおのめになったという話など
それまで聞いたことがなかったので
当時はその因果関係には気づかなかったが
今から思えば出っ張ってるハラをかばうために
変な重心で歩いていたのだろう
それと友人説では、なんでもうおのめというものは
ストレスを受けるとできやすく!なるモノでもあるらしいので
(その友人はオトコと別れたら治癒したそうだ!)
それも原因の一つに違いない
なにしろ「異物」なので、、、胎児、、、
下痢と陣痛
つわり時にはかわいそうになるほど痩せてしまったわたしだが
出産直前の体重は16キロ増だった
ハイ、食べました♪
体重に関して比較的鷹揚だった13年前ですら
増加許容体重は10キロだったと思う
その数年後には8キロになり
現在では7キロだそうだ
双子を産んでもよかった、、、
とまあ、見事にその食欲を復活させたわたし
里帰り出産なわたしは
予定日一ヶ月前から実家暮らしで
食べ物には不自由していなかった
その日も例によってテーブルの上には
たくさんのとうもろこしがあった
「子供に栄養を取られるので二人分」説が
まだまかり通る時代
昼食後に二人分のとうもろこし(つまり2本)を食べた私は
1時間後ハラの調子がおかしいことに気づく
下痢の前兆のような腸の動き、、、
なんともこう、せつなくなるような、、、
しかし2時間たっても3時間たっても下痢にはならず
ただハラの様子がしっくりこないだけだ
ん?
もしや陣痛じゃ??
まったく意識してなかったが自分は妊婦である
けれどまだ、予定日の2週間前ではある
しかも昨日の検診ではまったく穴は!開いておらず
「これじゃまだ帰ってこなくてもよかったね〜」
とセンセイに言わしめたのだった
自信がない
自分の身体の異変に対して
まったく自信がない、、、
下痢と陣痛の区別もつかないというのは
なんか情けないぞ、、、
夕方、わたしは仕方なく電話でお医者の指示を仰いだ
わたし「あのぉ〜、おなかが痛いのです
でも昼にとうもろこしをたくさん食べました」
看護婦「で、下痢なのですか?」
わたし「いえ、腹痛だけ」
看護婦「すぐ来てください」
陣痛だった、、、
その数時間後
下痢とは比べ物にならないほどの激痛が
わたしを襲うことになるのだ、、、
くわばらくわばら、、、
蛇足
うちのムスコはとうもろこしに押されて出てきた
ということになっている
分娩その時
とうもろこしで始まった出産だが
これが結構難産だった
なかなか破水せず産まれる気配なし
そのくせ痛くて寝てるひまもなし
(隣のベッドの妊婦は痛がってない時いびきをかいてる!)
丸一日眠ることが出来ず
最後には目の前に星が現われた
生まれて初めての星体験!
マンガなんかで頭をぶつけた時に出る
ぴーぴろぴろぴろ〜というやつである
その後眠くて眠くて熱が出た頃
ようやく破水をするにはしたのだが
袋のうえーの方が破けてしまい
アカンボ(胎児?)は産道のほうに来ることが出来ない
もういいかげんいやになった頃
センセイはなにやらハサミのようなもの!を突っ込み
パチン
と、袋を切ってくれた、やれやれ
するとあれよあれよという間に
するすると産まれてしまった
陣痛は痛い!
分娩は痛くない!
痛くはないがアカンボのアタマが出てくる時
カッ
と熱くなった
わたしはアソコに電熱器を当てられたんじゃ?と思ったほどだ
その直後
すっと嵐が去ったように静かになって
大きな「?」マークが頭の中に浮かんだ
それで終わり
十人十色の出産体験ではあるが
「電熱器」という表現はいまだ聞いたことがない
新生児
産まれたばかりのアカンボの顔を
お医者が写真に撮っておいてくれた
「あら、かわい♪」
と当時はそう思って眺めていたが
今見るとどうみても
「殴られて顔が腫れ、目があかなくなったガッツ石松」である、、、
きっと
「産まれたばかりのアカンボをかわいい、と思う遺伝子」が
我々には組み込まれているのだろうと思う
アカンボを生き延びさせるための?
神様の細工である
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