しいたけ栽培法・・・(その2)きのこを出すぞの巻き

 原木からしいたけを発生させるためには、まず原木にしいたけ菌を植え付け、半年から1年半かけて育成します。こうしてきのこが出るようになった原木を「ホダ木」と呼びます。しいたけは品種によって、何もしなくても春や秋にきのこが出てくるタイプや、きのこを出すためには一定の「発生操作」をしなければならないものなど、いろいろあります。きのこを美味しく食べるためには、まず「ホダ木」を手に入れて、適切な発生操作をする必要があります。

(1)ホダ木を手に入れましょう

ホダ木は(1.1)自分で育成する。(1.2)シイタケ農家から買う。(1.3)ホームセンターで買うなどがあります。

(1.1)自分で育成する。・・・これは、しいたけ栽培法(その1)ホダ木を作るぞの巻き、で書いたようにご自分で原木や種菌を買って、ご自分で育成する方法です。ハッキリ言って手間がかかります。場所も必要です。マニア向けですね。

(1.2)シイタケ農家から買う。・・・一番お奨めですね。

(1.3)ホームセンターなどで買う。・・・ホームセンターなどでも菌を植え付けたしいたけのホダ木が売っています。でも私が見た売場では置いてある環境が良くなく、とても値段に見合ったきのこが出るとは思えません。しいたけは後で述べるように、1本のホダ木から7〜8回の収穫が見込めるのですが、1回目の収穫は良くても2回目以降が問題です。マニュアルなどに管理方法がよく説明してあるものを選ばれた方が良いと思います。

(2)発生操作

 ホダ木を手に入れたら、それがまずどんな性質の品種かを知らねばなりません。(注 しいたけには100種類以上の品種があります)

 しいたけの品種は大きく分けて、(2.1)何もしなくても春や秋に勝手にきのこが生えてくる品種、(2.2)発生操作と言われるものをやらないときのこが生えてこない品種・の2種類があります。

(2.1)何もしなくても春や秋に勝手にきのこが生えてくる品種・・・これは比較的管理が簡単です。しかしホダ木を置いておく場所が問題です。ホダ木を数年間一つの場所に置いておくことになりますので、邪魔にならず、しいたけに適した場所を選ぶ必要があります。場所さえ適切であれば、後は雨の恵みを受けて春と秋にきのこが生えてきます。きのこはホダ木の中のしいたけ菌が生きている間、毎年春と秋に生えてきます。運と環境が良ければ数年間はOKです。

ホダ木を置く場所・・・雨が当たり、直射日光が当たらず、適度の湿り気があり、下草や落ち葉があり、水たまりは24時間以内になくなるような場所を選びましょう。雨は通常の雨がかかれば十分です。日光は12〜2月の間は当たっても大丈夫ですが、11月や3月の直射は避けた方が無難です。4月〜10月の直射は厳禁。また、湿度も大切です。住宅街などにホダ木を置こうとすると、雨や日光の件はクリアできても、湿度が低く乾きすぎてきのこの発生が悪くなる可能性があります。コンクリートやアスファルトの上だと乾きすぎます。雑木林の中などが適切です。

ホダ木の置き方・・・しいたけ栽培法(その1)ホダ木を作るぞの巻き・で書いたように、地面にべったりはつけないで空間を置き、ホダ木とホダ木の間も10cm位空けて(きのこがぶつからないようにするためと、風通し)置きます。

(2.2)発生操作をする品種・・・この品種は、手間さえかけてあげれば1年間いつでもキノコを生えさせることができます。ただし、一度キノコを収穫すると、その後「休養期間」と言って、20〜40日間くらい休養をとる必要があります。
この間に、シイタケ菌は栄養を蓄え、次の発生に備えるわけです。休養期間中は、適度の水分と湿度、温度が必要になります。また、しいたけ菌は暑さや寒さが苦手なので、酷暑時と厳寒期は工夫が必要です。
ホダ木を置く場所・・・雨が当たり、直射日光が当たらず、湿度のあるところが基本ですが、雨の代わりに散水などでも代用できますので、湿度さえあればガーデニングや家の中などでも可能です。ただし、休養中、乾きすぎると次の発生量が落ちますし、30度以上の高温や10度以下の低温が続くと、やはり次の発生量が極端に少なくなります。

休養中の管理・・・湿度が重要です。山林の中であればさほど気にしなくてすみますが、家の中など、湿度の低いところでは散水してもすぐに乾いてしまい、肝心のホダ木内部まで水が浸透してくれませんので、効果が半減してしまいます。栽培セットの中に同梱されている、ビニール袋の中に入れて過乾燥を防ぐなどの工夫が必要になります。
同時に温度も重要です。30度以上の高温や、10度以下の低温が続いてキノコの発生量が減った場合は、次の適温時まで発生を先延ばしにするか、温度管理を工夫するかのどちらかになります。
そしてもう一つ重要なことは、休養中、ホダ木に物理的な刺激を与えないようにすること・です。特に、次回発生操作の1週間以内では避けた方が無難です。次の項目の「しいたけの発生」にも関連することですが、しいたけ菌は、物理的な刺激(ホダ木を叩いたり、移動して何かにぶつけたりする)を受けると、菌の活動が活発になります。「ホダ木の育成中」であれば、物理的な刺激を与えることによって、しいたけ菌が活発になり、良いホダ木ができるようになるので良いのですが、休養中に刺激を与えるとしいたけが生えたり、発生のリズムが狂って次回の発生に悪影響を及ぼしたりします。
前回、しいたけを収穫した後の傷が、白く発菌し、さらにその部分が茶色に褐変すれば最高です。
茶色いものはしいたけ菌が外的から身を守るため変化したもので、こうなれば環境変化にも強くなります。
逆に、収穫後に緑色の菌が付いたりしますと、ちょっと心配です。これは青かび(ペニシリウムではなくトリコデルマであることが多いです)と言って、しいたけ菌を殺してしまいます。しいたけ菌が死んだ部分は回復しませんが、管理の方法さえ間違っていなければ、ホダ木全体には蔓延しませんので、気を配る必要があります。
具体的には、1週間に1〜2回くらい、「全体が6〜24時間濡れている程度の散水」と「乾燥」を繰り返します。温度は、15〜28度くらいが良いです。
季節によっては、温度がこれより高かったり低かったりしますので、この場合は発生をあきらめて、次の適期まで待つか、温度を調節します。

しいたけの発生・・・しいたけのホダ木を1ヶ月ほどそっと休養させた後、「発生操作」をすればしいたけが生えてきます。「発生操作」とは、ホダ木に物理的な刺激(ホダ木を叩いたりする)と十分な水分を含ませることを言います。休養期間中に蓄えた栄養分を刺激と水でキノコに変える・と思ってもらうとわかりやすいです。
具体的には、1ヶ月ほど休養させておいたホダ木を、15〜20度くらいの水に浸けます。このとき普通、ホダ木同士がぶつかったりしますが、この程度の刺激があれば十分です。水の温度が25度以上であったり、10度以下の場合、キノコの発生量が激減することがあります。
こうして、5〜20時間くらい水の中に浸けたらしいたけ同士がぶつからない程度に間隔をあけて並べます。湿度が低すぎるとしいたけが小さくなったり、数が減ったりします。
水から揚げてから、夏で2〜3日、冬で5〜7日するとしいたけの芽がでてきます。さらに、夏で数日、冬で1〜3週間するとキノコが収穫できるようになります。

しいたけの収穫・・・しいたけの収穫は簡単です。しいたけの足の部分のなるべくホダ木に近いところを持って、上に引っ張るのではなく、横にずらすような感じで採ります。この時、多少ホダ木の皮の部分まで、めくれてしまうことがありますが、少々であれば気にすることはありません。