胆石・闘病記

平成17年6月29日、私にとって生まれて初めての大病(?)胆石を患いました。
うわさには聞いていましたが、初めての入院、手術と言うこともあって、不安がいっぱい。

聞いてみると、日本人は10人に一人くらいは胆石を持っているそうです。
ただ、そのほとんどの人はサイレントストーン、つまり痛みを伴わない人なのだそうです。
そうした、胆石を持っている方の後学のために、あるいは今まさに胆石で苦しんでいる方にとって、
少しでも参考になればと思い、闘病記とは大げさですが、入院から手術、回復までの日記を書いてみたいと思います。


   *平成17年6月29日(水)

夜8時過ぎ頃、胸のみぞおちのあたりが急に痛み始めた。
夕飯を少し食べ過ぎたので、そのためかとも思ったが、痛い場所はみぞおちのあたり。
そしてそしてまもなくその痛みは激しさを増してきた。
一応、常備薬の胃腸薬を飲んでみた。
しかし、短時間で効くはずもない。このころには痛みで歩くのがやっと。
数分後、痛みは激痛と化して脂汗がにじみ出てきた。
妻に頼んで、救急車を呼んだ。

救急車到着。
担架に乗せられ病院に向かう。
痛みの場所が胸近辺と言うこともあり、心臓病に強い病院へ。
救急車に乗っている間が最も痛かったと思う。
しかし、意識はあった。

病院到着。
このころ痛みが少しずつ薄れてきた。
かすかに目を開けてみると、目の前には手術用の大きな丸いライトがあった。
たぶんERの中か?
血圧や心電図、脈などは正常範囲内の様子。
次第に痛みがとれてきた。
病院到着後1時間くらいか。
痛みがだいぶ収まってきた。
先生の話では胃痙攣か?とのこと。
痛みがほとんどなくなってきた。
一時帰宅する。



   *6月30日(木)

早朝4時頃 再びみぞおちのあたりが痛みだし、再び病院へ。
CTスキャン、超音波エコー診断の結果、胆石と判明。
正式には、総胆管結石+胆嚢結石のダブルパンチだった。
つまり、総胆管(肝臓から十二指腸へ胆汁を送る管)と胆嚢(胆汁を一時保管する袋)の両方に石があるのだという。
CT画像にははっきりと白く石が映っていた。
CTスキャンではカルシウムを多く含んでいるとそこが白く映るそうだ。

食事は朝、昼、晩とらなかった。

初めて胃カメラも飲んだ。
たぶん数分間の検査だったと思うが、元々喉の奥にものを入れられるのは苦手なので、非常に辛かった。

   *7月1日〜3日

少しずつ食事をとる。
結石の痛みは全くない。



   *7月4日(月)

夕食無し。
点滴始まる。


   *7月5日(火)

3食とも無し。

担当の先生から、手術の説明を受ける。
翌日7/6手術予定。
初めは、総胆管結石の石を取るそうだ。
総胆管に石が詰まると、胆汁が出なくなるだけでなく、膵液も出なくなるとのこと。
これがまずい。
膵液はタンパク質を分解するそうで、これが長い間膵管に詰まると、膵炎を引き起こし、命に関わるという。

この日夜24:00から、点滴に機械ポンプを使う。
初めは何なのか分からなかったが、抗生剤を正確に一定の時間で点滴をするためらしい。



   *7月6日(水)

3食とも無し

朝、検査着に着替える。

6月29日からほとんど絶食状態なので、空腹感が大きい。

今日夕方予定の「内視鏡的乳頭バルーン拡張術」について、胃カメラを飲むのが苦手なので、
先生に全身麻酔の希望を出す。
しかし、胃カメラの辛さによる欠点よりも、全身麻酔によるリスクの方が大きいと説得され、全身麻酔は諦める。

15:40  手術室に入る。
麻酔用液を飲んで喉を麻酔するが、前回の胃カメラの苦い経験もあり、麻酔が十分かどうか少し不安。
16:00頃 「内視鏡的乳頭バルーン拡張術」開始。
前回の胃カメラの時とは違い、うつ伏せになって顔だけ真横を向くと言うちょっと辛い状態で、
手術用の太めの胃カメラを十二指腸と総胆管の合流部まで飲む。
普通の胃カメラと違い、内視鏡の先端部から横に手術をするための道具が付いているらしい。太さも少し太い。
また、レンズは内視鏡の前方向きではなく横向きなので、普通の胃カメラよりも入りにくいかも・とのこと。
やはりかなり辛い。
2度目の胃カメラなので、「力を抜く」「鼻で息を吸い、口で吐く」など言われたことはかなり努力したつもりだったが、
吐き気が止まらず先生に迷惑をかける。
意識ははっきりある。
太めのチューブが喉にすれて少々痛い。
約10分後、総胆管には胆石がないことが判明。
その後、総胆管や胆嚢内に、「造影剤注入+撮影」を約20分ほど繰り返し行う。

17:00 手術が終わり、部屋に戻る。
先生からの説明を受ける。
この時初めて理解したが、今日の「内視鏡的乳頭バルーン拡張術」は手術だけではなく、検査としての意味合いも強かったそうだ。
結果として、総胆管には結石は無かった。
総胆管から十二指腸へつながる「乳頭」と呼ばれる場所が、少し開き気味だったとのこと。
つまり、一度総胆管に詰まった結石が十二指腸へ流れ出たらしい。
あの胃カメラの辛さは何だったのか!と、ちょっとがっかりしたが、どのみち検査のため同じ事をしなければならなかったと聞いて納得。
この検査で胆嚢には結石があることが再確認された。

夜、喉は痛いがよく眠れる。



   *7月7日(木)

5:00 起床
喉が痛い。背中も痛い。
6:00 自力でトイレに行く。
点滴はずっと続いている。
朝、 採血と血圧測定。

3食とも無し

血液検査の結果、膵炎は無いが、膵臓にはダメージがあるとのこと。



   *7月8日(金)

6:00  体温36.4度
抗生剤などの点滴は続く。

3食とも無し。
空腹感がだんだん慣れてくる、が、やっぱりおなかは空く。

9:30 造影剤を使ったCTスキャン。点滴から造影剤を入れられると体が急に熱くなった。

10:40 担当の先生から今後の予定を聞く。
  7/11に外科病棟に移り、7/14午前腹腔鏡手術

17:00 体温36.2度

午後 外出



   *7月9日(土)

3食とも無し
抗生剤などの点滴続く

6:00   体温36.7度
14:00  体温36.5度
 


   *7月10日(日)

3食とも無し
抗生剤などの点滴続く

7/14手術のためのうがいを始める。(風邪予防)

夜24:00 抗生剤点滴終了



   *7月11日(月)

3食ともに無し
今日の点滴は栄養剤のみ

6:00  体温36.6度     14:00  体温36.8度

朝 腹が少し張り気味、トイレで下痢

9:20 心臓エコー検査
10:00頃  入浴

14:00頃  外科病棟に移る

16:00頃  手術までの説明を受ける
   7/12 6:00 家族へ詳しい説明
   7/14 9:30 手術

16:25   体重77.3Kg(約4Kgの体重減)

夕方 担当の先生に指輪を外してもらう。(手術時には取らなければならないそうです)
      (かなりきつめで、痛かった)


   *7月12日(火)

3食ともに無し
6:00  体温36.2度   14:00 体温36.5度

6:00 採血

朝 点滴が変わる。
今までのに加え、ダイズ油(?)が加わった。白い色をしており、見た目は牛乳みたい。
何となく力が出る気分。

10:45 血圧測定  142−72

夕方 担当の先生から手術の詳しい説明を受ける。



   *7月13日(水)

3食ともに無し

体温  6:00 36.2度    14:00 36.3度
血圧  11:00  122−70

お昼前 シャワーを浴びる
シャワー後、点滴再開。それまでの静脈は出血して腫れていたので、別の血管を使う。
夕方、点滴が一時終わり。
 24時間点滴が終わって、一時的にせよ点滴が無くなるのは久しぶり。

夜21:00以降、食べ物だけでなく水分も飲んではいけないとのこと。(明日の手術に備える)



   *7月14日(木)

3食ともに無し

体温   6:00  36.2度
血圧   7:20  116−80

6:00 浣腸

9:00 手術着に着替えて、移動台へ
     鼻から胃へのチューブを入れる。入れるとき少し痛い。

9:30 手術室へ
     腕に注射(少し痛い)
     背中に痛み止めのための硬膜外麻酔(結構痛かった)をする。
     点滴に全身麻酔を入れられると、まもなく気を失う。
     その後は、終わるまで完全に眠ったままだった。 
12:15 手術終了

手術はおなかに4カ所穴を空けて行う「腹腔鏡下胆嚢摘出術」。
みぞおちの下あたりに、縦に3cm位の傷跡、へそ下に横4cm、その右の方に2cm位の傷跡が2カ所あった。

胆嚢には直径2〜3mmくらいの小さめの石が全部で数個入っていた。
白いものが1個と、ピンク色のものが数個。
柔らかいので、記念に持ち帰ることは出来ないと言う。

1時過ぎ頃 入院部屋で目が覚める。
        その後しばらくウトウト状態が続く。
        痛みはあまり無い。



   7月15日(金) (3食とも無し)

未明  背中と手術跡の痛みで目を覚ます。
     かなり辛かった。うめき声も少し出したと思う。

37度台後半の微熱が1日中続く。
  
朝 担当先生回診
 「鼻から胃」へのチューブを取る。
 酸素マスクを取る

午後 尿のチューブを取る。

手術跡が痛い。
ベッドから起きあがるのですら苦痛を伴う。
午後3時頃 痛み止めの硬膜外麻酔を背中にうってもらう。
ところがこれがメチャメチャ痛いというか気分が悪い。
何とか我慢したが、これほど辛いなら、手術跡の痛みの方がましか。

おなかがゴロゴロ言っている。腸が動いているのか。
早くガスが出るよう、なるべく歩いた方が良いと言う。

尿チューブを取った後、今日4回、自分で歩いてトイレに行く。
結構辛い。

体重 77.8Kg



   *7月16日(土)

体温  6:00 37.2度     14:00 37.0度

朝 背中への痛み止め(硬膜外麻酔)があまりにも辛いので止めてもらう。
   
朝食は無し

朝の回診時に、背中の硬膜外麻酔用チューブを外してもらう。

昼食:重湯、具のないみそ汁
    12日ぶりの食事で、重湯でも美味しかった。食べ終わるのに1時間近くかかった。

15:00 背中へではなく肩に痛み止め注射をしてもらう。
      こちらの注射の方が遙かに痛みは少なかった。

体重 76.8Kg

夕食:重湯、カボチャスープ、青リンゴヨーグルト
    しばらくぶりに、「味」の付いた食事。美味しい。

19:00 手術後初めてガスが出る。ホッとした。



   *7月17日(日)

今日は詰将棋全国大会&看寿賞の授賞式
この入院のために行けなくなったのが大変残念。
昨日までは手術跡が結構辛かったので、諦めていたが、今日になって急回復する。
よけいに悔しさが残る。

体温  6:00 36.8度     14:00 36.9度

5:30  採血
7:30  血圧  138−80
8:00  朝食:三分粥(+たいみそ)、みそ汁、卵豆腐、牛乳
8:30  痛み止めを肩に注射
9:00  レントゲン撮影
9:50  担当先生回診
      脇腹のチューブを取る。
11:00 血圧  132−80
12:00 昼食:三分粥、冷や奴、魚、テルミール
18:00 夕食:五分粥、マーボ豆腐、野菜

午前中、脇腹のチューブを取ってから、急に体調が回復する。
ベッドから起きあがるのも全く辛くはない。
普通に歩くことが出来る。
これなら、名古屋の詰将棋全国大会に行けたかな。



   *7月18日(月)

朝食:五分粥、みそ汁、刻み野菜、高野豆腐の煮物、牛乳
昼食:全粥他
夕食:全粥他

食事が通常に戻るに連れ、体調も急回復する。
これなら普通の日常生活もできそう。



   *7月19日(火)

今日から、普通の食事となる。
体重は76.8Kgで手術前に比べ約5Kg減。
先生の話では、今日、退院可能とのことでしたが、抜糸が木曜日であることと、
今日、昨日が大変な猛暑で、体調の悪化を危惧し、抜糸後の退院を決める。



   *7月21日(木)

朝、回診時に抜糸、といっても、糸を抜いたわけではない。
  4カ所の手術跡の内、3カ所はそれぞれ、5本、3本、2本の「ホッチキス」のようなもので留めてあり、
  その上に透明のテープが貼ってあった。それを取るだけ。痛みもなし。
  残る1カ所の手術痕は、当初、チューブが付いていた所で、初めからホッチキスなどはなく、この時点でほとんどふさがっていた。

午前中、退院。

退院する時点では、体調も万全と思ったが、やはり疲れやすい。
約2週間の絶食のためか。
手術のためか。
それでも、手術痕の痛みはほとんど無い。
農業はチト辛いが、日常生活程度なら全く問題ないレベルに快復。



まとめると

6月29日 20:30頃   激痛で救急車を呼ぶ
       22:30頃   一時痛みが収まり、一旦帰宅。
6月30日  4:00頃   痛みが再発。再び病院へ。胆嚢結石と総胆管結石と診断される。         
7月1〜5日         この間、痛みはなかった。
7月 6日 16:00    内視鏡的乳頭バルーン拡張術 :約30分。
                総胆管結石の手術。結局、石は無かった。
                2日後にはほとんど体調が元に戻る。
7月14日  9:30    腹腔鏡下胆嚢摘出術 :約3時間。
                胆嚢の中の石を、胆嚢とともに取り去る。柔らかい石が数個入っていた。
7月17日          このころから体調が急快復する。
7月21日          抜糸、退院。
8月 2日          退院後初通院。異常なし。治療終了。

治療期間(救急治療から退院まで):23日間(胆嚢結石+総胆管結石)
総費用(入院費、治療費、手術費だけでなく、救急治療代や入院備品代など
その他一切の費用を含めて。国民健康保険で治療費3割負担):約35万円


結局、胆嚢結石または総胆管結石は、膵炎さえ起こさず、また、腹腔鏡手術が可能であれば、
それほど大きな病気ではないようです。
特に胆嚢結石が無く総胆管結石だけであれば、内視鏡的乳頭バルーン拡張術だけで済むので、入院期間は
すごく短くて済むように思います。(膵炎を起こしてしまうと危険だそうですが)
胆嚢を取っても再発の可能性はあると言われましたが、自分の場合、約2週間絶食に近い状態であったため、
大変なダイエットとなりました。
胃袋も小さくなり、しばらくは暴飲暴食も出来ないようです。
ならば、再発の可能性も少ないか?
ただ、胆嚢結石の手術の場合、出血や胆嚢が周囲と癒着している場合など、腹腔鏡下では出来ない場合があり、
この時はおなかを10cm以上切るそうです。
この場合には入院期間がかなり長引きそうです。(+3週間?)

ただ、やはり不思議というか悔しかったのは、総胆管結石と診断されたのに、手術時には総胆管の石が無くなっていたことです。
そして、胆嚢中の石も小さい物で、妻の話によれば「溶けかかっていたような石」でした。
救急治療時から、「ウルソ」という、結石を解かし胆汁の出を良くする薬を飲んだいたのですが、この薬が良く効いて、
ひょっとしたら薬による治療だけでもかなり効果があったのではと思う今日この頃です。
(膵臓のダメージを快復するための治療は必要だったと思いますが)